副作用

ピルの副作用・熱(微熱)の原因と対処法

ピルを飲んで数日が経ったころ、「熱っぽい」「寒気がする」と感じた経験はありませんか?その症状は、ピルによる副作用かもしれません。ただし、その症状は風邪や妊娠の初期症状とも似ています。「もしかしたら妊娠……!?」と不安になりますよね。

熱の原因がピルの副作用によるものなのか、単なる風邪なのか、もしかして妊娠したのか……見分け方から対処法まで、詳しく紹介します。

【関連】ピルの副作用・頭痛の原因と対処法

ピルを飲むとまれに熱が出る

ピルの副作用で微熱がでることがある

すべてのピルユーザーに、副作用として熱が出るわけではありません。ピルユーザーのうち、約0.2%の人が発熱を訴えています。副作用として一般的な頭痛や吐き気に比べると、発熱は比較的発症することが少ないでしょう。

一般的に、ピルの副作用で熱が出る場合は、36℃後半から37℃前半の微熱です。37℃後半以上の高熱が出た場合は、風邪など他の病気による発熱の可能性が高いです。高熱が出た場合は医師に相談しましょう。

アフターピルを飲んでも熱が出ることがある

アフターピルを飲んでも熱が出ることがあります。ただし、アフターピルの場合も低用量ピルと同じく、高熱が出るほどではありません。健康な人なら、微熱程度で治まり、徐々に熱は引いていくでしょう。

万が一高熱が出たら、低用量ピルと同じように、他の要因で高熱になった可能性が考えられるよ。

熱が出る原因はホルモンバランスの乱れ

ピルで熱が出る原因はプロゲステロンの増加とエストロゲンの減少

ピルを飲んで熱が出る原因は、プロゲステロンの増加とエストロゲンの減少です。ホルモンバランスが安定していれば、プロゲステロンとエストロゲンの分泌量は同じです。しかし、ピルを飲むと一時的にホルモンバランスに乱れが生じます。ホルモンバランスが乱れると、プロゲステロンの分泌量がエストロゲンの分泌量より、上回る場合があります。

なんでプロゲステロンが増えてエストロゲンが少なくなると発熱するんだろう?詳しく見ていこう!

プロゲステロンの増加と熱の関係

プロゲステロンには、基礎体温を上げる働きがあります。プロゲステロンが増えると、体温を上昇する働きが強まります。その結果、熱が生じるのです。

エストロゲンの減少と熱の関係

プロゲステロンとは反対に、エストロゲンには基礎体温を下げる働きがあります。エストロゲンの量がプロゲステロンの量を下回ると、基礎体温が下がりにくくなります。そのため、体は常に高温状態になるのです。

熱と併発しやすい症状

熱とともに吐き気や頭痛、眠気が伴うことも

ピルで微熱が出たとき、さまざまな症状が伴う場合があります。風邪や妊娠初期症状と同じく、吐き気や頭痛、眠気が同時に起こる可能性があるのです。このような症状が出た場合は、無理をせずに体をしっかり休ませましょう。

微熱が出やすいタイミングは?

ピルを飲んでから、微熱が出やすいタイミングは、人によって異なります。ピルを飲み始めてすぐに発熱する人もいれば、飲み始めてから徐々に発熱する人もいます。

プロゲステロン優位な期間に微熱が出やすい

ただし、休薬期間に入ると、プロゲステロンは減少していきます。そのため、休薬期間は徐々に熱が下がっていくでしょう。

微熱が出やすいピルってあるの?

ヤーズは、ピルの中でもっとも熱が出る可能性があるピルです。ヤーズには、ドロスピレノンというプロゲステロンが含まれています。ドロスピレノンというプロゲステロンは、他のプロゲステロンに比べて、もっとも活発に働く種類です。そのため、ヤーズは体温が上がりやすいという特徴があるのです。

ヤーズの他にも、マーベロンアンジュなども、微熱が起きやすいピルです。第1世代をのぞく、以下の3世代(第2世代、第3世代、第4世代)は微熱が起こりやすいでしょう。ほとんどのピルに、微熱が出る可能性があります。

微熱が出る可能性のあるピル
世代 ピルの種類 プロゲステロンの種類
第4世代
  • ヤーズ
ドロスピレノン
第3世代
  • マーベロン
  • ファボワール
デソゲストレル
第2世代
  • アンジュ
  • トリキュラー
  • ラベルフィーユ
レボノルゲストレル

この熱は副作用?風邪?もしかして妊娠!?

妊娠初期症状の微熱とピルの副作用の微熱は似ている

ピルを飲んだあとに熱が出ても、ピルの副作用で起こった熱なのか、風邪で起こった熱なのか、区別がつかないですよね。「ピルの副作用だと思って、ほうっておいたら風邪だった」なんてことも。もしくは「妊娠の初期症状?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。この熱が何から来ているものなのか、見分けるポイントを紹介します。

ピルの副作用による熱の症状

ピルの副作用による熱は、眠気やだるさを伴います。個人差はありますが、ピルの副作用による熱だと、高くても37℃前半の微熱にしかなりません。ピルの副作用で生じる熱は、休薬期間に入ると消退出血があり、徐々に体温が下がっていきます。また、消退出血に伴い腰痛、腹痛が生じる場合があります。

風邪による熱の症状

ピルの副作用による熱の症状と、風邪による熱の症状は、比較的区別がつきやすいでしょう。風邪の症状は、喉の痛みや咳が伴います。これらの症状は、ピルの副作用や、妊娠初期症状には見られません。他にも、37℃後半以上の高温になるのも風邪だけの症状です。個人差はありますが、ピルの副作用や妊娠の初期症状で見られる温度は、36℃後半から37℃前半です。

妊娠による熱の症状

ピルの副作用による熱の症状と、妊娠による熱の症状を見分けるのは困難です。いずれの場合も、症状がほぼいっしょだからです。熱にくわえ、眠気やだるさなどが伴います。唯一異なる部分は、消退出血の有無です。

通常、休薬期間になれば、消退出血があります。しかし、妊娠すると消退出血がありません。ただし、妊娠による着床出血を消退出血と勘違いすることもあるので、見分けるのはなかなか難しいです。また、妊娠による熱は、ピルの副作用で起こる熱と違って、休薬期間中も熱が下がらず、2週間以上高温が続きます。

原因別の症状・体温
ピル 風邪 妊娠
熱に伴う症状
  • 眠気
  • だるさ
  • 喉の痛み
  • 鼻水
  • だるさ
  • 眠気
  • 腰痛
  • 下腹部痛
  • 腰痛
  • だるさ
  • 鼻水
  • 着床出血がある
  • おりものが変化する
    • すっぱい匂い or 無臭になる
    • 透明でサラサラになる
体温 36℃後半~37℃前半 36℃後半以上 36℃後半~37℃前半
休薬期間中の症状
  • 熱が下がる
  • 消退出血
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 消退出血
  • 熱が続く
  • 消退出血がない
  • 熱が2週間以上経っても下がらない

低用量ピル・アフターピルで微熱が出た時の対処法

ピルで熱が出た場合の対処法は、風邪などで熱が出た場合の対処法と同じです。低用量ピル、アフターピル、それぞれの対処法を紹介しましょう。

低用量ピルで微熱が出た時の対処法

低用量ピルで熱が出たら、体を温める、休息をとるなどして休みましょう

低用量ピルで微熱が出た場合、まず、体を温めてしっかり休息をとりましょう。「微熱なら頑張らなきゃ!」と無理をしがちですが、無理をせず、体を休ませてあげることが大切です。しかし、女性の社会進出が進んでいる中、ゆっくり休めない人も多いはず。休める人、休めない人、それぞれの対処法を詳しく見ていきましょう。

休める人は体を温めて休息する

体を休めることができるなら、できるだけ体を休ませてあげましょう。無理をするのは、精神的にもよくありません。休むうえで大切なことは、体を温めることです。体が冷えると、熱に伴って倦怠感や頭痛が生じたり、悪化したりすることがあります。生地が厚い靴下を履いたり、生姜が入ったスープを飲んだりなど、体を温めながら休息をとりましょう。

休めない人は市販の風邪薬で熱を下げる

「今日は大事な会議があるから休めない」など、休むことができず、すぐに風邪を治したい場合は、市販の風邪薬を使用しましょう。ロキソニンや葛根湯など、市販の風邪薬とピルを併用しても問題ありません。もちろん、避妊効果にも影響しません。

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でも、妊娠による熱の疑いがある場合は、風邪薬を飲むのはひかえてね。万が一妊娠していた場合、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるよ。

アフターピルで微熱が出たときの対処法

アフターピルで熱が出た際の対処法は、低用量ピルでの対処法と同じ

アフターピルで微熱が出た場合も、低用量ピルの対処法と同じです。しっかり休息をとる、もしくは、市販の風邪薬を使用しましょう。アフターピルも低用量ピルと同様に、風邪薬と併用しても避妊効果に影響はありません。しかし、病院でもらった抗生物質が入っている風邪薬は併用しないでください。避妊効果に影響が出る場合があります。高熱が出てどうしても症状が辛い場合は、医師に相談したうえで処方しましょう。

熱(微熱)についての不安は解消しましたか?

ピルで熱が出る原因は、ホルモンバランスの乱れによるプロゲステロンの増加です。プロゲステロンは、基礎体温を上昇させる働きがあります。体が健康であれば、36℃後半から37℃前半の微熱で治まります。ピルの副作用で高熱が出ることはありません。もし、高熱が出たのであれば、ピルの副作用ではないでしょう。風邪など、別の病気が重なっている可能性が高いです。

ピルで微熱が出た場合、一番の対処法は、ゆっくりと休息をとることです。休息をとる際は、厚手の靴下を履くなどして、体を冷やさないようしっかり温めましょう。仕事が忙しく、休むことができない人は、市販の風邪薬を使用しましょう。ピルと併用しても、ピルの効果に影響は出ないので安心してください。

参考文献・参考サイト

ピルの副作用・熱(微熱)の原因と対処法は、以下のサイトや資料を参考に作成しました。

  1. 参考:経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ / 厚生労働省
  2. 参考:【産婦人科医監修】熱っぽい(微熱や寒気) / 妊娠・出産・マタニティ情報サイト – ニンプス
  3. 参考:ファボワール28を服用中熱が… / いけした女性クリニック銀座